菜園の盗っ人(600字のエッセイ)
よく間違えるのだが、日本で初めて宇宙に行ったのは毛利衛さんではない。
秋山豊寛さんだ。TBSを退社して福島で無農薬野菜をつくっていた。(今は京都府在住だが)
私とほぼ同世代、そのエッセイを読んで共感するところが多かった。「イノシシの被害に遭って、アタマにきた」「棒を持ってイノシシを追い回した」とエッセイにある。
自然志向で山間部にはいった元宇宙飛行士が、逃げ足の早いイノシシを必死に追っている図を想像して、笑ってしまった。
自分にも笑えない事態が起こった。
私の畑にもイノシシが現れた。柔らかい土を掘り返えされている。根菜類ばかりでなく地中のミミズも狙いらしい。サツマイモがよくできて、もう少しで収獲という時に盗っ人に完膚なきまでに食いつくされた。
自分のイモをやられて、初めて彼の気持ちがわかった。ケモノ除けのネットを張る。太い竹を支柱にしっかり埋め込んだが、ばっさりと押し倒された。
秋が深まると救いの神が大挙して現れる。我が家のまわりには軽トラックが有に10台以上。ハンターたちである。お茶や菓子を用意して迎える。勢子たちが猟犬とともに山に登り、一斉に下る。飛び出したイノシシを待ち伏せているハンターが撃つ作戦だが、成果は何回かに1回。これも効果少なし。
電気柵を設置した。大枚5万円を投じて。人工的な菜園になって気に入らないが、効果は今のところ確かに利いている。
写真は ノウサギ除けのネット。
順調に伸び始めたサツマイモの苗。
3年前このくらいまで育てて上手くいっていたところを、すっかりノウサギにやられた。今はイノシシ柵と二重になっている。
最近のコメント