評価なし(600字のエッセイ)
評価なし
イナカでいいことの一つは燻製づくりがおもいきり出来ることである。隣家がだいぶ離れているので、燻煙が大量に出ても大丈夫。一度都会のマンションのベランダで燻製をやったら、煙で大ブーイングを買った苦い経験がある。
当方の今は、自慢じゃないが本格派である。燻製器(スモーカー)は高さ1メートル50。中は5段で豚バラ肉のかたまり700gが15個は優に入る。「熱燻」で2時間以上かける。それは最後の最後の段階だ。
ベーコンづくりはその前の準備が大変だ。肉にたっぷり塩と香料を塗り、塩水に浸して丸1週間冷蔵する。そのあとは塩抜き。せっかく漬け込んだのをなぜ塩抜きをせねばならないのか。それはとにかく、流水にほぼ半日漬ける。次に「風乾」。涼しい風で乾かす。水気が残っていては燻煙できないのだ。
夏場では銀バエの恰好のターゲットになってしまう。銀バエは普段は全く見かけないのだが、燻製を始めるとどこからともなくやってくる。それも大群で。一瞬の隙もなく肉に取りつく。それで夏場は断念した。第一スモーカーのドアを開けるときの熱さもたまらない。
大量のベーコンづくりは12月に入ってから。正月親戚が集まったときの年賀の品としてつくる。
まあ好評のようだ。ところが最近、某奥様に評価を伺ったら「そうね、ゆで卵と6Pチーズくんせい、おいしかったわ」と。そうかい、そうかい。「塩蔵」や「風乾」の手間暇かけたベーコンには“評価なし”かい。
燻煙のはじまり。塩蔵して、風乾したベーコンは白っぽい。
2時間あまり燻煙すると、うまそうな色に仕上がる。
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