セイタカアワダチソウ(600字のエッセイ)
セイタカアワダチソウ
房総の農産物の特産品の一つがナバナである。年の暮れから早春にかけて菜の花の柔らかい蕾が東京の市場をにぎわす。おひたしに鍋物に人気がある。ナバナの畑が私の家の近くの南向きの斜面にある。茎や葉が硬くなる2月ごろ収穫が終わると3月には花を咲かせっぱなしにしている。
一面の菜の花が咲き乱れる。むせ返るような匂い。早々に現れた蜂が舞っている。斜面の段々畑なので、黄色の花の太いベルトが出来上がる。その風景が。いい写真のポイントになっている。
そのナバナ畑が消えてしまった。御多分に漏れず高齢化で耕し手がいなくなったせいである。
それを待っていたかのように、一つの植物が取ってかわった。御存知のセイタカアワダチソウ。休耕の最初の年は遠慮がちに、2年目からはもう誰にはばかることなく繁茂した。この外来種は丈高が1メートルを超え、その繁殖力から侵略的外来種ワースト100に数えられている嫌われ者である。
しかし私はちょっとちがった見方をしている。戦後進駐軍の貨物に付着して渡来し在来種のススキなどを打ち負かして猖獗を極めたが、最近は日本の環境に合わせて進化?してきた。背丈が矮小化し在来のススキなどと共存するようになった。
セイタカアワダチソウは夏に花序をつけ、休耕畑で一斉に咲き出すのが秋である。春の菜の花に取って代わって、秋の陽に映え、黄色い花を風に靡かせている姿は、それはそれで美しい。
外国ではこれを切り花にして室内に飾っている。花粉症にはならない、という。
これが元のナバナの畑。アワダチソウの花盛りである。
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