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2020年8月12日 (水)

虫も殺さぬ顔 (600字のエッセイ)

虫も殺さぬ顔        

 

野暮用で都会にいて、やっと田舎に来れて野菜畑に立つとちょっと緊張する。野菜たちは元気か。水は足りているか。へんな虫はついていないか。

「あ、テントウムシ!」

「★(ほし)いくつ?」

「★7つ。かわいい。それと★20も」

「★20は葉っぱを食べる。即刻処分しないと」。妻もよく知っている。妻の方が容赦なく掣肘を加える。1匹見つければ葉裏までくまなく捜す。私に「手のひらを出せ」という。その上に★20が半死状態で置かれる。無言で「殺れ」と。私の男気が試されている。仕方ない。やってやろうじゃないか。ばかだね。私は足元に★20を落として、半死ながら必死に雑草の根元に隠れようとするのを、かまわず長靴を乗せ、グググッと踏みしめる。

時に親指くらいの太さの青虫を渡される。ちょっと持ち重りがする。足に吸盤がついていて手のひらに感触が伝わってくる。きもかわいい。一瞬のためらいののち、私は投げる。外野に届くくらいの勢いで竹林のなかに投げる。妻は「戻ってくるかもしれない」と処分方法にクレームをつける。自分では決して手を出さない。後生が悪いことはしない。亭主ならかまわないのか。

そうか、亭主に殺生をさせて地獄に行ってもらおう、という魂胆か。そして自分は極楽浄土へ。サヨナラサヨナラ。来世までお付き合いは御免! そう思ってのことに違いない。

かく判ずる私も、来世で妻と再び会うことを望んでる? 再会を心底喜ぶのだろうか。

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あじさい。銘は「墨田の花火」鉢物で頂いたのを地植えしたところ、花を咲かせた。花色がうすい。石灰がたりないのか?

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