600字のエッセイ
めざし
いつから日本人はそんなに卑しくなったのか。テレビをつけると、タレントどもが、老いも若きも大口を開いて出された食いものに食らいついている。
「まいうう」「何とかの何とかや」と絶叫する。NHK、民放を問わず、スタジオ番組を5分も見ていると、必ずワゴンに乗せた、食が持ち込まれる。北海道の珍味、沖縄の逸品、イタリア・トスカーナの絶品。はたまたイヌイットの生肉、モンゴルの醍醐。まず大物タレントと司会者から試食が始まる。
次にとりまきタレント、運がよければギャラリーの一部もご相伴にあずかれる。まちがっても視聴者には来ない。だからこの手の番組は好かん。私はタレントが大口を開けだすと、直ちにチャンネルを変えてしまう。どうして視聴者が文句も言わないのか不思議でならない。
昔はゴールデンアワーには食のバラエティ番組などなかった。わずかに5分番組で「くいしん坊万歳」が、GH以外では「今日の料理」とかがあっただけだ。今はGHに限っても食をテーマにした番組が7つもある。
テレビは、世界中の食を食い散らかしている。そのうち何かがおかしくなるにちがいない。賢明なる諸兄、諸姉よ、テレビを消してメザシを焼こう。土光敏夫さんのひそみに倣って。
こぼれ種から咲き出したコスモス
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